学科試験と並んで、船舶免許の取得には実技試験もあります。初めて受ける方にとっては「どんなことをやるの?」という不安が大きいと思いますので、この記事では実技試験全体の流れと4つの試験項目を概説します。各項目の詳細はそれぞれ別の記事でくわしくご紹介していく予定です。
船舶免許実技試験の全体像
1級・2級で試験内容は同じ
実技試験の内容は、一級小型船舶免許と二級小型船舶免許で共通です。学科試験では1級と2級で出題数や科目が異なりますが、実技については同じ試験内容を受けることになります。
試験時間は約1時間15分。試験官が同乗した状態で実際の船を操縦し、採点を受ける形式です。試験当日は教習所の教習艇を使います。私が教習を受けたときは操船の実技を行った後、教官が交代してそのまま実技試験がスタートしました。
実技試験のロープワーク
試験で求められる結び方
ロープワークは、岸壁に船を係留したりアンカーを固定したりするときに欠かせない技術です。試験では決められた結び方を正確に、かつすみやかに行う必要があります。
代表的な結び方として、もやい結び・クリート止め・巻き結びなどが挙げられます。これらの結び方はあらかじめ練習をしていったほうがいいかもしれません。(恥ずかしながら、私はなかなか覚えられず、練習用のロープを買いました。)
実技試験の出航前点検
チェックする項目の流れ
出航前には、船が安全に航行できる状態かどうかを確認する「出航前点検」を行います。エンジン・燃料・救命胴衣・消火器・排水用バケツ・信号紅炎など、決められた手順に沿って点検を進めます。
試験では点検の手順と声出し確認が採点対象になります。日常点検のような感覚で習慣づけるようにすると、本番でも落ち着いて取り組めるかな、と。
また、岸を離れる際の解らん(かいらん:係留ロープを解く操作)や、戻ってきたときの係留の手順も確認されます。私が実技試験を受けた際は、係留はクリート止めでした。
実技試験の基本操縦と応用操縦
基本操縦の内容
基本操縦では、直進・変針(進行方向を変える操作)・停止・連続旋回(蛇行)・後進などの操作を行います。一つひとつの動作を正確にこなすことが求められますね。また、それぞれの操作の前には周囲の安全確認と声掛けを忘れずに。ボートは車のように決まったところを走る必要がない代わりに、360°どこからでも他船が向かってくる可能性がありますよ。
応用操縦の内容
応用操縦では、人命救助や避航操船、離着岸など、より高度な操作が試されます。基本操縦に比べると難度は上がりますが、手順を覚えてしまえば落ち着いて対応できるでしょう。
たとえば避航操船では教官から「xx時方向から他船が来ている」と指示されるので、その指示に合わせて自分が避けるのか、直進するのかを判断する必要があります。
また、実技試験全体を通じて「安全確認(首振り確認)と声掛けを怠らない」ことが採点の大きなポイントになっています。操船の技術だけでなく、安全意識も問われる試験だということを意識しておくとよいと思います。
実技試験は慣れない動作の連続ですが、教習コースで練習すれば着実に身についていきます。ぜひ自信を持って試験当日を迎えてください。